●犬5種混合ワクチン(ノビバックDHPPi)

・犬ジステンバー

【特徴】
犬ジステンバーウイルスに感染している犬の目ヤニ・鼻水・便・尿などの接触、咳やくしゃみで飛散したウイルスを吸い込む事で感染します。
感染力が非常に高く、主に免疫力の弱い子犬・シニア犬・病気で体力や免疫力が落ちている子・ワクチン未接種の子
に感染しやすい病気です。
人間への感染はありません。

【症状】
潜伏期間は4日程
発熱・元気食欲の低下・くしゃみ・鼻水・嘔吐・下痢・血便・細菌感染による肺炎・ウイルス性の脳脊髄炎によるケイレンや運動失調・皮膚炎・網膜の異常・肉球の硬化
後遺症として歯のエナメル質形成不全が見られる事もあります。

【治療】
ジステンバーウイルスに対する治療薬はありません。
抗菌薬の投与や点滴などでの対症療法が主な治療法になります。


・犬伝染性肝炎
【特徴】

アデノウイルス1型に感染している犬との接触、特に尿への接触により感染します。
このウイルスは環境中でも数日~数ヶ月は生存する大変強力な物です。
また、感染後回復した犬からも長期間ウイルスが排出される為、多頭飼いは特に注意が必要です。
人間への感染はありません。

【症状】
潜伏期間は4~7日程度
発熱・元気食欲の低下・鼻水・嘔吐・リンパ節炎・気管支炎・肺炎・肝炎・腹痛・血便・出血傾向(体のあちこちから出血)・多くの臓器の機能が停止し 最悪の場合死に至ります
特に子犬は重症化しやすい傾向にあります。
また、回復期に目の角膜が白く濁る“ブルーアイ”が見られる事もあります。

【治療】
アデノウイルス1型に対する治療法はありません。
抗菌薬の投与や点滴などでの対症療法が主な治療法になります。

・犬アデノウィルス(2型)感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
【特徴】
アデノウイルス2型に感染している犬との接触、特に口や鼻からの分泌液への接触、 咳やくしゃみで飛散したウイルスを吸い込む事で感染します。
犬パラインフルエンザウイルスや細菌の感染と共に“ケンネルコフ”と呼ばれる犬の風邪症状(頑固な咳など)を引き起こします。
人間への感染はありません。


【症状】
短く乾いた咳・軽い発熱
アデノウイルス2型に続いて細菌感染も起こした場合は肺炎になり重症化する可能性もあります。

【治療】
アデノウイルス2型に対する治療法はありません。
抗菌薬の投与や点滴などでの対症療法が主な治療法になります。


・犬パラインフルエンザ
【特徴】
犬パラインフルエンザウイルスに感染している犬との接触、特に口や鼻からの分泌液への接触により感染します。
犬アデノウイルス2型や細菌の感染と共に“ケンネルコフ”と呼ばれる犬の風邪症状(頑固な咳など)を引き起こします。
子犬に多くみられる病気です。
人間への感染はありません。

【症状】
短く乾いた咳・軽い発熱
食欲や元気さはある事が多いです。
犬パラインフルエンザウイルスの感染に続いて細菌感染も起こした場合は黄色い鼻水がみられたり、肺炎になり重症化する可能性もあります。

【治療】
犬パラインフルエンザウイルスに対する治療法はありません。
抗菌薬の投与や点滴などでの対症療法が主な治療法になります。


・犬パルボウイルス感染症
【特徴】

犬パルボウイルスに感染している犬との接触、特に感染した犬の糞便を口から摂取する事で感染します。
環境中でも数ヶ月間生存する程感染力が強く、免疫力の弱い子犬は重症化しやすい為注意が必要です。
人間への感染はありません。

【症状】
下痢・血便・嘔吐・重度の脱水・食欲不振・元気喪失などの消化器症状の他に、白血球減少を起こし免疫低下状態になり、二次感染の可能性が大きくなります。
生後2~9週齢の仔犬に多く見られる心筋症などの症状は死に至る事のある大変危険な病気です。

【治療】
犬パルボウイルスに対する治療法はありません。
抗菌薬の投与や点滴などでの対症療法が主な治療法になります。


●犬7種混合ワクチン(ノビバックDHPPi+L)
犬5種混合ワクチンの内容に加えて

・犬レプトスピラ病(カニコーラ型・イクテロヘモラジー型)
【特徴】
犬レプトスピラ病は人間のインフルエンザやコロナのようにたくさんの型に分かれています。
カニコーラ・イクテロヘモラジー・ポモナ・ハージョ・グリポティフォーサ・オータムナリス・オーストラリス
の7種類の内、ワクチン製造会社ごとに重要視している型に対する抗体を使用しています。
当院で取り扱うワクチンにはカニコーラ型・イクテロヘモラジー型が使用されています。
レプトスピラ菌はげっ歯類(ネズミやハムスターなど)が高確率で保有しており、生涯にわたり尿中に菌を排出します。
山・川・自然の多い公園などに生息するげっ歯類の尿が土壌や水や植物に浸透し、散歩時に皮膚(特に傷)から吸収されたり口にする事で感染します。
この病気は犬種や年齢に関わらず感染リスクがあり、 人間にも感染する 可能性があります。
人間の場合は農業従事者・トライアスロンや水辺のスポーツ愛好家に感染症例が増えています。

【症状】
発熱・食欲不振・沈うつ状態・貧血・ミネラルバランスの乱れ・肝不全・腎不全など
症状のヤマを越えた後も慢性間質性腎炎や慢性進行性肝炎まで進行し、生涯にかけて治療が必要になります。

【治療】
犬レプトスピラ菌に対する治療法は抗生物質の投与が有効です。
初期の段階では血管からの投与が望ましい為、入院または連日の通院での治療となります。
症状が落ち着いた場合は2週間程の内服薬での治療になります。
重症化した場合と腎炎や肝炎を併発した際はそれぞれに対する治療が必要です。
点滴・消炎剤・肝庇護剤などの注射治療が必要な為、入院を選択される事がほとんどです。